1.培養血管平滑筋細胞(VSMC)のIL-6発現に及ぼすAGEの効果 competitiveRT-PCR法により、VSMCと培養血管内皮細胞(HUVEC)においてほぼ同等量のAGE受容体mRNAが発現することを初めて証明した。AGE-BSAは、VSMCおよびHUVEC培養液中のIL-6活性を、その濃度依存性に増加させた。細胞中IL-6mRNA含量は、AGE-BSA添加後2時間においてすでに有意の増加を認めた。一方、AGE-BSAは、PDGF-B・IL-1β・VEGFmRNA量には明らかな影響を与えなかった。 2.AGEによりVSMCに誘導されるIL-6のオートクリーン作用の解析 AGE-BSA添加によりVSMCの細胞増殖の促進がみられ、これは抗IL-6抗体により抑制された。AGEはVSMCの遊走には影響を与えなかった。一方、HUVECの細胞増殖・遊走に対してAGEは明らかな影響を与えなかった。またIL-6はVSMCのIL-1β・VEGF・PDGF-BmRNAレベルを変化させなかった。 以上の結果より、AGFはVSMCのAGE受容体に結合した後、IL-6の産生・分泌を誘導し、オートクリーン機構によりその細胞増殖を促進することが示された。
|