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1994 年度 実績報告書

甲状腺刺激ホルモン受容体遺伝子の発現調節機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06671036
研究機関九州大学

研究代表者

生山 祥一郎  九州大学, 医学部, 助手 (20184393)

キーワードTSH受容体 / 遺伝子 / 甲状腺 / 発現調節 / 転写因子 / インターフェロン
研究概要

甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体遺伝子の発現調節機構を明らかにするため、私どもはラットTSH受容体遺伝子のプロモーター領域の解析を続けてきた。これまでの研究により、この遺伝子のプロモーターは翻訳開始点から上流約220bpまでの領域がプロモーター活性の発現自体に重要であるばかりでなく、(1)この遺伝子の甲状腺細胞特異的発現、(2)TSH/cAMPシグナルによる転写活性の一過性増強とその後の印刷、(3)インスリン/IGF・1による転写活性の増強などに重要であることを明らかにし、私どもはこの領域を“minimal promoter region"と呼称している。この領域内に存在し上述の発現調節に関与する。cis-acting elementとそれに結合する蛋白因子の性状を明らかにした。すなわち、(1)プロモーター活性発現に必須であり、かつ、甲状腺細胞ではconstitutive enhancerとして機能するcAMP応答領域(CRE)、(2)CREの機能を抑制することによりプロモーター活性を抑制している繰り返し配列とこの配列に結合する2種類の因子、(3)甲状腺特異的転写因子TTF-1の結合領域、および(4)インスリン応答領域とこれに結合する因子(TIFs)などである。
ついで、自己免疫性甲状腺炎の発症に関与すると考えられるインターフェロン_γ(IFN_γ)の甲状腺細胞に及ぼす影響を明らかにするため、とくに、TSH受容体遺伝子のプロモーター活性に対する効果を検討した。IFN_γは特異的にTSH受容体のプロモーター活性を抑制することを明らかにし、この抑制効果は上述のTTF-1のDNAへの結合を減弱させることがその一因であることをゲルシフト解析により示した。しかし、TTF-1自体の発現には変化がないため、TTF-1のDNA結合の低下はこの蛋白自体がIFN_γ処理により何らかの修飾をうけることによると考えられる。今後、その機序について検討を進めたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shimura H.et al: "Thyroid-speciafie expression and cyclic adenosine 3',5'-monophosphate autoregulation of the thyrotropin receptor gene involves thyroid transcription factor-1" Mol.Endocrinol.8. 1049-1069 (1994)

  • [文献書誌] Shimura Y.et al: "Identification of a novel insulin-responsive element in the rat thytotropin receptor promoter" J.Biol.Chem.269. 31908-31914 (1994)

  • [文献書誌] Ohmori M.et al: "Characterization of an up-stream thyroid transcription factor-1-binding site in the thyrotropin receptor promoter" Endocrinology. 136. 269-282 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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