研究概要 |
βVLDLの結合、取り込み、泡沫細胞化に関し、これまでに以下の成績を得た。 1)マウス腎メサンギウム細胞は、βVLDLに対してKd=3.8 μg=ml,Bmax=65.9 ng/mg cell protに特異的結合を示し、そのBmax値はLDLの場合と近似していた。 2)上記の結合は非標識βVLDLまたはLDLで強く抑制されたが、アセチルLDLでは抑制されなかった。また、^<125>I-LDLの結合に関しても同様の抑制パターンが認められた。 3)^<14>C-cholesteryl esterの産生量はβVLDLの濃度依存性に強い増加を示したが、LDLでは弱かった。 4)Oil red O 染色にて、βVLDLによる同細胞の泡沫化が、培養1週目より確認され、4週目まで次第に増強したが、LDLでは認められなかった。 5)マウス腹腔マクロファージ、Raw 264.7 cwll,J774 cellでも上記と同様の成績が得られ、βVLDLが各種貪食細胞を同様に泡沫化させる事を明らかにした。 以上の結果より、βVLDLがscavenger receptorではなくLDL receptorを介して取り込まれ、泡沫細胞化を引き起こす事が示唆され、今後はβVLDLの結合蛋白がLDL受容体か否かについて、抗LDL受容体抗体を用いた種々の検討が必要と考えられる。
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