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1995 年度 実績報告書

高危険群を対象としたヒト甲状腺癌の遺伝子診断と遺伝子治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06671053
研究機関東海大学

研究代表者

阿部 好文  東海大学, 医学部, 講師 (30124928)

キーワード甲状腺癌 / 細胞内情報伝達系 / 増殖因子
研究概要

本研究はヒト甲状腺癌の細胞内情報伝達系の異常をあきらかにし、その異常の本体を研究することにより甲状腺癌の新しい治療法を開発することを目標にしている。平成7年度は甲状腺に対するHGFの作用とHGFレセプターc-METの発現を検討した。
1.予後スコアの決定:伊藤病院で1977年以降、甲状腺癌の手術をうけた症例、2162例の内、予後の追跡できた821例を対象に、甲状腺外科検討会の全国登録のための基本情報を中心に検討した。その結果、危険因子として性、手術時年齢、甲状腺腺内播種、転移、原発性巣の大きさが癌死亡と相関を認めた。一方、リンパ節転移は癌死と相関しなかった。
2.HGFの甲状腺癌への影響:甲状腺細胞にCa^<2+>感受性蛍光色素Fura-2を封入し、HGFで刺激し細胞内Ca^<2+>濃度の変化を画像解析装置で測定した。正常甲状腺細胞、および高分化甲状腺癌では細胞密度が増加し、細胞がcontact inhibitionが掛かる条件となると、HGF刺激による細胞内Ca^<2+>濃度の増加とみとめられなくなったが、低分化甲状腺癌におては細胞未知度が増加しても、HGF刺激による細胞内Ca^<2+>濃度の増加がみとめられた。インテグリン抗体で細胞接着を解除した条件下でHGFを作用させると細胞の分散をみとめた。このHGFによ細胞内Ca^<2+>濃度の増加と細胞分散はPI-3 kinaseの作用を阻害するwartmoninで阻害された。
3.甲状腺癌におけるcMETの発現:甲状腺癌組織のc-MET遺伝子の発現をRT-PCRで、遺伝子産物をウエスタンブロットと免疫染色で検討した。甲状腺癌においてはc-MET遺伝子が発現しており、免疫染色でも陽性となる組織が多く存在している。このcMETの発現と予後との関連は現在検討中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 阿部好文: "甲状腺とアポトーシス" 医学のあゆみ. 176(in press). (1996)

  • [文献書誌] Yoshifumi Abe: "Expression of the HGF receptor in normal and neoplastic thyroid tissue" Oncogen. 12(in press). (1996)

  • [文献書誌] Yoshifumi Abe: "Prognostic value of c-Met expression in papillary thyroid carcinomas" Thyroid. 6(in press). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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