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1994 年度 実績報告書

血中濃度自動シミュレーションを用いた抗白血病剤の細胞内代謝及び作用機序の検討

研究課題

研究課題/領域番号 06671083
研究種目

一般研究(C)

研究機関福井医科大学

研究代表者

上田 孝典  福井医科大学, 医学部, 助教授 (40160171)

研究分担者 中村 徹  福井医科大学, 医学部, 教授 (80026848)
キーワードcytosine arabinoside / 血中濃度自動シミュレーター / clonogenic assay / 脱アミノ酵素
研究概要

代表的抗白血病剤が臨床的に投与される際の血中濃度時間曲線の推移を正確に反映した条件下で薬剤の代謝・作用が如何に行われているか,さらには単剤毎でなく通常行われる多剤併用投与下での各薬剤の代謝・作用が如何に行われているかはきわめて重要である。本年度は特に前者について新しく開発された血中濃度自動シミュレーターを用いた解析も含め、検討を行った。
従来の我々の検討および文献的dataに基づき、マイクロコンピューターでペリスタポンプを制御する薬剤濃度自動シミュレーターを用い、臨床投与時の血中動態を反映したara-C濃度の推移を実験的に培地中で作成することに成功した。現在この実験系において白血病細胞株をcytosine arabinoside(ara-C)存在下に培養し、ara-Cによる増殖阻害効果につき検討を進めている。また別に、培養細胞系を用い、clonogenic assayにより細胞増殖阻害効果を求めた。ara-C存在下で24時間培養,72時間培養後のIC_<50>値は各々0.15μM,0.003μMと極めて時間依存性の強い薬剤であることが確認された。また、^<14>C標識ara-Cを用い、ara-C脱アミノ酵素やara-Cリン酸化酵素の活性を測定し、また、高速液体クロマトグラフィー,薄層クロマトグラフィーによりara-C代謝物の定量を行った。以上の基礎的検討を進める中で、従来、ara-Cは細胞内で脱アミノ化による不活性化によりara-Uに変換されると考えられていたが、L1210細胞を用いた検討において、細胞内より培地中に放出された脱アミノ酵素による作用も重要な意義を有することが明らかとなり、血中濃度シミュレータによる本研究の最終的結論の重要性が示唆された。但し、現在の問題点として、シミュレーターにより培地濃度を制御するために、培地を攪拌することの機械的刺激により細胞の増殖が若干阻害されることや、濃度変化のための培地の変換に伴ない細胞のlossが起こることがあげられ、さらに検討をすすめている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Ueda.T: "Clinical pharmacology of 1-β-D-arabinofuranosylcytosine-5^' -stearylphosphate,an orally administered long-acting derivative of low-dose 1-β-D-arabinofuranosylcytosine." Cancer Res.54. 109-113 (1994)

  • [文献書誌] Urasaki,Y.: "Circumvention of daunorubicin resistance by a new tamoxifen derivative,toremifene,in multidrug-resistant cell line." Jpn.J.Cancer Res.85. 659-664 (1994)

  • [文献書誌] Kawai,Y.: "Modulation of the effect of 1-β-D-arabinofuranosylcytosine by 6-mercaptopurine in L1210 cells." Jap.J.Cancer Res.85. 978-985 (1994)

  • [文献書誌] Ueda.T: "Pharmacokinetic and clinical pilot study of high-dose intermittent ubenimex treatment in patients with myelodysplastic syndrome." Anticancer Res.14. 2093-2098 (1994)

  • [文献書誌] Fukushima,T.: "Influence of idarubicinol on the antileukemic effect of idarubicin." Leukemia Res.18. 943-947 (1994)

  • [文献書誌] Iwasaki,H.: "Quantitative description of morphologic changes effected by antileukemic agents in L1210 leukemia cells." Anticancer Res.(in press). (1994)

  • [文献書誌] Nakamura,T.: "Recent Advances in Chemotherapy" Am.Soc.Microbiol., 1110 (1994)

  • [文献書誌] 上田孝典: "図説臨床[癌]シリーズNo.17,白血病・リンパ腫-新版-" メジカルビュー社, 274 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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