研究課題/領域番号 |
06671097
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
重清 俊雄 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (50162582)
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研究分担者 |
白川 光雄 徳島大学, 医学部・附属病院, 医員
東 博之 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (10241275)
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キーワード | 先天性ヒスチジンリッチグリコプロテイン欠乏症 / 先天性血栓性素因 |
研究概要 |
1.先天性ヒスチジンリッチグリコプロテイン(HRG)欠乏症の世界第2例目の家系を発見した。発端者は1978年生まれの日本人男性で徳島県出身である。両親に近親婚あり。1994年10月末頃より、左胸部の帯状疱疹に罹患していたが、11月3日約15分間の意識消失発作あり、某院脳外科を受診。頭部MRIで両側視床下部の脳梗塞と診断された。発端者の母方祖父が心筋梗塞に罹患。発端者の血漿HRG抗原量が32%、父親の血漿HRG抗原量が50%と低下していた。発端者が若年であり、本症以外の基礎疾患を有さなかったことは、本症が先天性血栓性素因であることを示唆する。(投稿準備中) HRGの生理機能を明らかにするために、先天性HRG欠乏症患者5人(血漿HRG抗原量20-35%)を対象に止血学的研究、免疫学的研究、微量元素に関する研究を実施したが、異常を見出せなかった。この結果はHRGの生理機能が生物学的活性より限られたものであること、あるいは、HRGの生理機能は正常の20%で充分であることを示唆する。(in press) 先天性HRG欠乏症の遺伝子異常を明らかにするための研究は進行中である。プラスミドpHHRG3に含まれるHRGの全cDNAをコードする約2.0kbのEcoRIフラグメントを精製後、ランダムプライマー法でプローブを作製し、患者白血球DNAを各種制限酵素で切断し、サザンブロット解析を行った。しかし、正常者と差異がなかったので、PCR-SSCP法で異常エクソンのスクリーニングを行った。HRG遺伝子のエクソン-イントロン境界領域のデータに基づき、8対のプライマーを作製し、購入した遺伝子増幅装置を使ってPCR法で増幅後、SSCP法によって正常者と対比したところ、1エクソンに差異を認めたので、dideoxy法でシークエンスを行っている途中である。
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