目的:巨核芽球性白血病細胞株の分化誘導因子因子のスクリーニング 方法ならびに材料:種々の細胞株の培養上清や家兎に抗血小板抗体を投与し血小板減少を引き起こした血漿を下記の2つの方法によって上記の因子活性をスクリーニングした。 a.マウス巨核芽球性白血病細胞株であるL8057と上記培養上清あるいは血小板家兎血漿とを96穴のマイクロプレート上で3日間培養した。遠心後、上清を捨て、細胞にした発現したアセチルコリンエステラーゼ(AchE)の活性を測定した。 b.マウス骨髄細胞から非付着非貧食細胞を精製し、上記の上清あるいは血小板家兎血漿とを96穴のマイクロプレート上で4日間培養した。遠心後、上清を捨て、細胞にした発現したAchEの活性を測定した。 結果:種々の細胞株の培養上清中には、マウス巨核芽球性白血病細胞株であるL8057を分化成熟する活性は認められなかった。また、マウス骨髄細胞のAchEを発現させる活性は認められなかった。一方、血小板減少家兎血漿はL8057のみならずマウス骨髄細胞のAchE発現を刺激させる活性を認めた。そこで、血小板減少家兎血漿を硫安分画、レクチンカラムクロマトグラフィを用いて、部分精製を行ったところ、硫安分画55-80%、レクチンカラムクロマトグラフィ吸着分画にその活性を認めた。 今後の方針:上記の2つのアッセイを用いて、血小板減少家兎血漿の精製を行っている。なお、最近発表されたmpl-ligndにはL8057のAchE発現を刺激させる活性を認めない。
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