研究概要 |
当初の計画では、1,および2によって研究の基礎的条件の検討を行なってから、3によって研究目的を達成する予定であったが、1および2の検討の結果、研究目的には不十分の結果であったので、3によって直接、研究の基礎的条件を検討した。 1.ヒト好酸球性白血病細胞株EoL-1 cellの培養条件の検討: 培地、添加するIL-3,IL-5の濃度などの培養条件を検討したが、正常好酸球に近い分化は得られなかった。 2.ヒト好酸球コロニー培養法: ヒト骨髄細胞のメチルセルロース培地でのコロニー培養法によって得た好酸球前駆細胞をヒト・フィブリン層内に移し、細胞伸展器で伸展させ、顕微鏡ビデオ撮影によって観察することができたが、採取できる細胞数が少ないので、1回の撮影で良好な条件下に観察できる細胞数が少ないため、能率が低いことが明らかとなった。 3.臍帯地単核球由来のヒト好酸球前駆細胞の液体培養と長期顕微鏡ビデオ撮影: IL-3,IL-5を添加した培地で1週間培養すると、骨髄芽球、前骨髄球などが増加し、さらに1週間培養すると好酸球が多数出現することが示された。この培養1週間の細胞から、immunobeads法によって約30%混在するT細胞を除去して顕微鏡ビデオ撮影下に培養すると、好酸球前駆細胞の増殖・分化の観察が可能なことが分かった。一つの課題は、画面から成熟した好酸球が遊走し去るのを防ぐことであり、至適のフィブリン層の厚さ、濃さを検討中である。
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