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1994 年度 実績報告書

造血器腫瘍における転座関連遺伝子の発癌への関与

研究課題

研究課題/領域番号 06671119
研究機関大阪医科大学

研究代表者

赤尾 幸博  大阪医科大学, 医学部, 助教授 (00222505)

研究分担者 辻本 賀英  大阪医科大学, 医学部, 教授 (70132735)
大槻 勝紀  大阪医科大学, 医学部, 教授 (50140166)
キーワード造血器腫瘍 / 染色体転座 / 染色体第11番q23 / RCK遺伝子 / MLL遺伝子 / bcl-2蛋白 / アポトーシス
研究概要

〈RCK遺伝子産物〉
B細胞リンパ腫に観察されたt(11;14)(q23;q32)染色体転座はB細胞リンパ腫の2〜3%に見られる。この転座の標的遺伝子であるRCK遺伝子(11q23)を単離し、構造を決定した。予想されるアミノ酸配列から、この遺伝子産物はヒトの新しいRNA(helicase)ヘリカーゼで、DEAD蛋白ファミリーであることが判明した(Cancer Res.,1992)。この遺伝子のmRNAはすべての組織で発現しており、house-keepingな遺伝子であることが示唆された。我々はこの遺伝子産物(蛋白)の発現を検索するため、この蛋白に対し、2種のポリクロナール抗体を作製し、免疫組織学、ウエスタンブロッド法により検討した。その結果、RCK蛋白は分子量54KDa、脳、肺、筋組織といった再生不能な組織ではmRNAは存在しても蛋白は生成されないことが認められた。しかし、興味深いことにこれら組織由来の悪性細胞株では、その発現の亢進が見られ、RCK蛋白が細胞の分化、増殖に関与していることが示唆された。
〈MLL遺伝子とAF22遺伝子〉
成人の急性非リンパ性白血病に観察されたt(11;22)(q23;q11)の2例について分子生物学的方法により検討した。1例についてはMLL遺伝子をプローブにし、切断点を単離した。MLL遺伝子(11q23)と融合したAF22遺伝子のmRNAをノーザンブロット法により、切断点近傍に同定した。現在、AF22遺伝子の単離を行っている。他の1例においたはMLL遺伝子が関与していることは明らかになったが、22q11側の切断点については検討中である。
〈bcl-2とアポトーシス〉
bcl-2蛋白が細胞内の核膜の外膜、その他小器官の膜系に普遍的に遍在することを形態学、生化学的に証明した(Cancer Res.,1994)。さらにアポトーシスの過程において、bcl-2蛋白の発現は減少し、局在が小器官の膜系より細胞質に移行してゆくことを認めた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Akao,Y.Otsuki,S.Kataoka,Y.Ito and Y.Tsujimoto: "Multiple subcellular localization of bcl-2: Detection in nuclear outer membrane, endoplasmic reticulum membrane,and mitochondrial membranes" Cancer Res.54. 2468-2471 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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