1.桑原(代表者)は、ラット腎集合尿細管管腔側水チャネルすなわち、バブプレシン感受性水チャネルの機能調節を検討した。アフリカツメガエル卵に水チャネルRNAを注入し、水チャネルを発現させて卵細胞膜の水透過性を測定した。その結果、cAMPが水透過性を増加させる等の知見から、プロテインキナーゼAが水チャネル機能を刺激することを見い出した。この成果はJ.Biol.Chem.誌に掲載された。佐々木(分担者)は、研究に有益な助言を与えた。 2.桑原(代表者)は、腎に特異的な遺伝子を発見するため、サブトラクション法を用いて検討した。腎遺伝子から肺、肝、小腸の遺伝子をサブトラクションして得られた腎特異的遺伝子の候補をスクリーニングして、2つの腎特異的と考えられる遺伝子を得た。このうちの1つは水チャネルであった。その成果は、アメリカ腎臓学会にて発表した。佐々木(分担者)は、研究に有益な助言を与えた。 3.桑原(代表者)は、ウサギ腎随質集合尿細管のH-K-ATPase機能を検討した。その結果、H-K-ATPase機能は間在細胞、髄質尿細管帯細胞の管腔側膜に限局して認められ、しかも低カリウムにて、機能が刺激されることを見い出した。この成果はAm.J.Physiol.誌に掲載された。
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