研究課題/領域番号 |
06671141
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
四方 賢一 岡山大学, 医学部, 助手 (00243452)
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研究分担者 |
小川 さえ子 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
久代 昌彦 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
槇野 博史 岡山大学, 医学部, 助教授 (50165685)
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キーワード | 接着分子 / 腎臓 / 腎炎 / 糖尿病 / ICAM-1 / セレクチン / 白血球 |
研究概要 |
1)糖尿病性腎症の糸球体におけるマクロファージの湿潤機序の検討 streptozotocinを投与して糖尿病を惹起したラットの腎組織を経時的に採取し、マクロファージの浸潤とICAM-1の発現を免疫組織学的に検討した。その結果、糖尿病発症後早期より糸球体内にICAM-1の発現の亢進が認められた。同時に糸球体内にマクロファージの浸潤が認められた。インスリン注射により血糖を正常化したラットの腎組織では、ICAM-1の発現は正常と変化はなく、マクロファージの数も正常と変化はなかった。以上のことから、糖尿病性腎症における糸球体へのマクロファージの浸潤の機序には、ICAM-1が重要な役割を果たしていると考えられた。 2)P-セレクチン、E-セレクチンの腎組織内における局在と病的状態における変化の検討 正常ヒト腎組織及び各種糸球体腎炎、糖尿病性腎症患者の腎生検組織を用いて、P-及びE-セレクチンの発現を免疫組織学的に検討した。その結果、正常腎組織ではP-及びE-セレクチンの発現は認められなかったが、ループス腎炎と糖尿病性腎症患者の腎組織では、P-及びE-セレクチンが糸球体内及び間質の血管壁に発現していることが明らかになった。以上の結果から、ループス腎炎や糖尿病性腎症における腎組織への白血球浸潤には、セレクチンが関与していることが示唆された。
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