研究課題/領域番号 |
06671142
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
湯淺 繁一 香川医科大学, 医学部, 助教授 (60174827)
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研究分担者 |
高橋 則尋 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (70253268)
隅蔵 透 香川医科大学, 医学部, 助手 (40231378)
千田 彰一 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30145049)
松尾 裕英 香川医科大学, 医学部, 教授 (90028514)
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キーワード | 超音波造影法 / 腎内血流分布 / 総腎血流量 / 生食負荷Na利尿 / 圧Na利尿 / 内皮由来一酸化窒素 / アンジオテンシンII / アンジオテンシンII受容体拮抗薬 |
研究概要 |
腎内血流分布の変化は尿濃縮やNa排泄などの腎の有する体液調節機構に重要な役割を果たしている。本研究では、腎内血流分布の調節機構における内皮由来nitric oxide (NO)役割を明らかにする目的で、最近研究代表者が開発した超音波造影法を用い、動物実験においてNO合成阻害時の腎内血流分布とNa排泄の変化を検討した。 超音波造影法による腎内血流分布の評価に関しては、超音波装置に東芝社製SSH-65A、超音波造影剤にマイクロバブルを含むsonicated 5% albumin溶液を用い、雑種成犬を対象に、NO合成阻害剤N^G-nitro-L-arginine methyl ester (L-NAME) 0.1〜10μg/Kg/min腎動注前後で検討を行った。その結果、低用量のL-NAMEは総腎血流量や腎内血流分布には有意な影響を与えることなく、基礎Na排泄量や生理食塩水負荷時のNa利尿を有意に抑制した。またこのNO合成阻害によるNa排泄の抑制作用は、angiotensinII受容体(AT_1)拮抗剤であるL-158,809投与下では完全に消失し、angiotensinIIに依存したものであることが明らかとなった。現在さらに高用量のL-NAMEやNO合成の基質となるL-arginineを用い、腎灌流圧を一定にした条件下で、これらの腎内血流分布に及ぼす影響を検討中である。 更に本研究では超音波造影法のヒトへの応用を目的として、ガラクトース/パルミチン酸より成る超音波造影剤を用い、腎血管病変やびまん性腎疾患を有する症例を対象に検討を重ね、造影剤の静脈内投与によりドプラ信号の良好な増強効果が得られることを確認した。現在腎血流シグナルの定量的評価法の確立を急いでおり、今後は本法により腎内血流分布とNa排泄機構との関連がヒトにおいても明らかになるものと期待される。
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