in vitro isolated tubular microperfusion(単離尿細管微小灌流法)を用いて、遠位尿細管のK輸送の数学モデルを作成することを目的とした。数学モデル作成の基礎データを得るために、CNT、CCD、髄質部集合尿細管(MCD)をそれぞれ、管腔内K濃度を変化させつつK分泌量とK透過性を検討することを計画した。 本年度は、ウサギを用い、皮質部集合尿細管を単離し、浴液あるいは灌流液を通常液はHCO_3濃度25mEq/Lとし、95%O_2/5%CO_2にてbubblingしてpHを7.4に調節し、K濃度を5mEq/Lとしてコントロールとした。実験に用いる灌流液のK濃度を10、15mEq/Lとしたとき、管腔内電位は管腔内K濃度の増加に伴い過分極した。そこでK分泌量を、灌流液および尿細管通過後の採液中のK濃度をmicroflame photometryにて測定して求めたところ、管腔内K濃度の上昇にともなってK分泌量は低下した。そこで^<86>Rbを用い、lumen to bath fluxを求めて、K透過性も検討したが、lumen to bath fluxには変化は無かった。このことは管腔内K濃度の変化によりbath to lumen fluxが低下したことを示唆する成績であった。 問題点としては、microflamephotometerによる管腔内K濃度測定にあたり、K濃度変動幅が大きいためにcaliblationが直線から外れる傾向であったため、測定値個々にstandardを置かなければならなかったことが、測定誤差を生じる可能性があることで、この点に関しては実験数を増やして補うこととしたことである。
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