研究概要 |
浸透圧物質としてブドウ糖,マンニトール癌糖,ソルビトール,グリシン,複合アミノ酸(いずれも5,25,50,100mM)を培養液中に混じて中皮細胞での^3H-thymidine uptakeを測定した。その結果,晶質浸透圧の増加は程度の差はあれ,中皮細胞増殖を抑制するがその作用はブドウ糖が最も大きかった。TGF-β,fibronectin,MCP-1のmRNA発現をブドウ糖,マンニトール培養液中で調べたがその発現はブドウ糖でいずれも増加しており、マンニトールでは増加はみられなかった。recombinant TGF-βの培養液添加により増殖抑制,fibronectin mRNA発現の増加が用量依存性に認められた。以上より,ブドウ糖による中皮細胞増殖抑制,fibronectin発現増加はTGF-β産生の増加のためと考えられる。 ラットにおいて限外濾過能低下モデルの作製を試みた。高濃度ブドウ糖70ml/kg・13Wを7日間,連日腹腔内投与することにより腹膜透過能は明らかに亢進しその結果,限外濾過能は低下することが判明した。また,ヘパラン硫酸,ヘパリンを同時に腹腔内投与することにより,限外濾過能の低下を防ぐことができた。
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