研究課題/領域番号 |
06671153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
長瀬 光昌 帝京大学, 医学部, 教授 (00010124)
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研究分担者 |
霜村 昌彦 帝京大学, 医学部, 助手 (60276730)
内田 俊也 帝京大学, 医学部, 講師 (50151882)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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キーワード | 活性酸素 / 化学発光 / スピントラップ法 / 馬杉腎炎 / 抗Thv-1腎炎 / アミノヌクレオシドネフローゼ / 好中球 / マクロファージ |
研究概要 |
著者らは腎疾患における活性酸素種(ROS)の腎局所での産生をみ、その消去による治療の可能性を見出すために、組織化学染色とともに糸球体化学発光法(GCL)を用いて検討した。馬杉腎炎ではGCLは発症ごく初期に著増したが、それはこの時期に浸潤する好中球由来の活性酸素産生を反映すると考えられ、それにSODやカタラーゼの投与が蛋白尿や腎機能低下を軽減させた。抗Thy-1腎炎でも初期にGCLが著増したが、それはマクロファージ浸潤によると考えられた。一方活性酸素スカベンジャーが蛋白尿を軽減させる事が既に知られているアドリアマイシンやアミノヌクレオシドによる実験ネフローゼでは、糸球体腎炎よりは程度が軽いが明らかなGCLの高まりがあった。また実験ネフローゼにて効果のあるdipyridamoleやdilazepはGCLを抑制した。両剤はともにハイドロキシルラジカルを捕束することがESRスピントラップ法にて示された。両剤は従来抗血小板効果によって腎障害が改善されると考えられていたが、今回の検討で糸球体よりのROS産生を抑制することが示された。 GCLは腎局所よりのROS産生をみるのにきわめて有利な測定方法であり、その高まりは病態とよく呼応していた。GCLの高まりは糸球体腎炎では主に浸潤細胞からの、また浸潤細胞の著しくない実験ネフローゼでは糸球体固有細胞からのROS産生を反映すると考えられた。GCLが著増する糸球体腎炎では、その時期に併せてスカベンジャーを投与する治療が有効であった。一方実験ネフローゼではGCL抑制効果より治療薬を予想、選定出来る可能性が示された。
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