研究概要 |
平成7年度の結果をふまえて、各種G蛋白(Gs,Gi2,Go,Gq)のαサブユニットの細胞内ドメインのアミノ酸配列を工夫し、化学的に15〜20個のペプチドを合成した。培養normal rat kidney cell(NRK)に対するTGF-βの作用を分泌されるフィブロネクチンの量を指標に、各々の合成ペプチドによる阻害作用を検討したところ、Goαの細胞内ドメインのペプチド(NNIQVVEDAVTDIIIANNLRGC)に阻害作用が認められた。このペプチドによる阻害作用は濃度依存性であり、500pM TGF-βの作用に対するEC50は1μMであった。この時点で、NRKにおいてTGF-βによるフィブロネクチン産生促進作用には、Goが関与している可能性がある。ただし、この22個のペプチドが培養上清から細胞内に取り込まれる必要がある。この問題をクリア-するために、FITCを標識したペプチドを投与し、細胞内の局在を確認した。また、このアミノ酸配列を認識するcDNAを作製し、lipofectinを用いてtransfectし、細胞内で発現させることによりペプチドの阻害作用を確認した。
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