研究課題/領域番号 |
06671175
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
小野寺 一彦 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00204264)
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研究分担者 |
澤 雅之 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70226059)
山本 哲 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50125415)
葛西 眞一 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (40091566)
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キーワード | 肝細胞移植 / 先天性肝酵素欠損症 / 胎児肝内肝細胞移植 / ODSラット |
研究概要 |
《Introduction》 肝移植により加療される先天性肝酵素欠損症などは、そのドナーの不足により十分な加療がなされていない可能性があり、かかる状況下に対して肝細胞移植が有効であることを我々は報告してきた。しかしながら、新生児期から発症し重篤化する先天性肝酵素欠損症に対しては,可能な限り早期に加療することが必須であることは云うまでもない。一方胎児-新生児期は、その免疫機構の発達が未熟なため免疫学的寛容が得られ易く同種および異種の肝細胞移植に対し拒絶反応を示さないことが予測され以下の研究を行った。 《Materials & Methods》 先天性アスコルビン酸(AsA)生合成酵素欠損ラットODS-od/odを用いて、同酵素をもつODS-+/+から分離した肝細胞2〜4×10^5個を妊娠18日目のODS-od/odの胎児へ臍帯静脈より実体顕微鏡下に注入した。生後4週齢で離乳後さらにその2週後にAsA欠乏食の投与を開始し、壊血病様症状の発現と生存日数を非移植群(コントロール群)と比較検討した。 《Results》 (1)子宮内胎児手術手技の向上により、死産、cannibalismを回避することが可能となった。 (2)移植群は、コントロール群に比し有意に症状の発現遅延と生存日数の延長が認められた。 《Discussion》 すでに大動物では、臍帯静脈内肝細胞移植で肝内生着が組織学的に証明されていることから、ラット胎児への移植もアランチウス管を経由し肝内に生着した肝細胞が酵素活性を発現したものと考えられた。今後は、さらに同種間および異種間においてもトレランスを誘導し反復治療の可能性について研究を進める。
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