研究課題/領域番号 |
06671175
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
加藤 一哉 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70175280)
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研究分担者 |
今井 政人 旭川医科大学, 医学部, 助手 (10271769)
稲垣 光裕 旭川医科大学, 医学部, 助手 (80261410)
山本 哲 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50125415)
葛西 眞一 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (40091566)
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キーワード | 肝細胞移植 / 先天性肝酵素欠損症 / 胎児肝内細胞移植 / ODSラット / 脾臓内肝細胞移植 / cytochrome P450 / 70%部分肝切除術 |
研究概要 |
肝移植により加療される先天性肝酵素欠損症などは、そのドナーの不足により十分な加療がなされていない可能性があり、かかる状況下に対して肝細胞移植が有効であることを我々は報告してきた。しかしながら、新生児期から発症し重篤化する先天性肝酵素欠損症に対しては、可能な限り早期に加療することが必須であることは云うまでもない。 昨年度、我々は胎児期の臍帯静脈を使用し、肝内肝細胞移植に施行しその手技の確立および肝細胞の肝内生着を確認した。 本年度は、胎児肝細胞を脾臓に移植し、その胎児肝細胞の増殖分化について詳細な検討を加えた。その結果、脾臓内に移植された胎児肝細胞は、移植後10週目までその形態学的にも増殖を維持しておりさらに各種cytochrome P450の発現をも確認し得た。 また、移植後10週目においてcytochrome P450 IIIA familyのinducerであるdexamethasonを用いたところ、明らかな発現の増強も確認し得た。 さらに、移植と同時に宿主70%肝部分切除により、脾内移植胎児肝細胞にacyl CoA oxidaseの発現の増強が確認できた。 Cytochrome P450 IVA1 (LAω)においては、移植後10週目においてその蛋白の発現を確認すると共にmRNAの存在も同時に確認し得た。またさらに、HPLCを用いてenzymatic activityをアラキドン酸代謝にてみたところ、明らかに酵素活性が存在することを確認した。 以上の結果より、脾臓内に移植された胎児肝細胞は増殖、分化を繰り返して成熟肝細胞と同等な細胞機能を有することが判明した。
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