研究課題/領域番号 |
06671186
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武田 泰隆 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40163422)
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研究分担者 |
松沢 昭雄 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50012745)
三枝 好幸 東京大学, 医科学研究所, 医員
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キーワード | マウス乳癌 / ヘテロジェナイテイ / ホルモン依存性 / 自律性進展 / 細胞間相互作用 / 悪性度 |
研究概要 |
臨床的に経験する乳癌は典型的なヘテロジェナイテイを示すことから、これらの細胞が相互に作用しながら、癌の進展に関与している可能性を解明する目的で、マウス乳癌をモデルとして、ホルモン依存性〜自律増殖性〜転移性癌への進展を主にin vivoで内分泌学的・細胞学的手法により研究を行なった。 DDDマウスの妊娠依存性乳癌株TPDMT-4(以下T4)は、低ホルモン条件下では正常組織と類似した行動を示し、高ホルモン条件下では腫瘍として行動する特異的な株である。その上、この性質が安定しているのが特徴である。ホルモンレベルが低い処女マウスでは正常乳腺の様に調節を受けているが、ホルモン刺激の強い妊娠中にはこの調節から逃れて腫瘍性増殖を示すと推測される。このようなT4乳癌及び肺転移能欠如自律性亜株T4O1320、T4-Ol320CY及びT4-Ol165、肺転移能獲得自律性亜株T4-Ol145及びT4-O196のそれぞれをコラゲナーゼ+ヒアルロニダーゼ処理により遊離細胞を調製し、T4細胞とこれらの亜株細胞を種々の割合で混合し、処女DDDマウスfat-pad内へ移植して、自律性株の増殖に対するT4細胞の影響を調べた。相互作用のメカニズムを解明するため、γ線照射T4細胞との混合、2つの株を異なる部位への移植なども試みた。T4細胞と自律性亜株細胞の相互作用には細胞が隣接して存在することが必要であることが判明した。そして、悪性度の低い自律性株に対して増殖抑制作用を示すが、悪性度が増すにしたがって逆に増殖促進的に作用し、多要因による複雑な機構が働いていることが判った。
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