研究概要 |
MTT assayを同一骨格筋の新鮮筋標本と凍結保存筋標本で行うために,採取する筋量を増やす必要があり,実験動物を以前使用していたマウスからラットに変更した。ラット下肢筋を既に報告した方法で、まず新鮮標本でのMTT assayの確立を図ったが,triplicateで行った測定値が必ずしも安定せず、実験がこの段階で止まっている。 MTT assayの測定値が安定しない原因を追求したが、以下のことが考えられた。 1.試薬が劣化している。 2.測定手技,特に筋細切が一定しない。 3.実験室内の湿度が低下し筋標本の乾燥が起こる。 4.ラット下肢筋では赤筋,白筋の占める比率が同一筋内でも一定していない。 現在,試薬は再調整され、測定手技もほぼ安定して来ているので,実験室内の湿度を上げて標本の乾燥を防ぐ工夫を検討中である。これで測定値が安定しない場合は,ラット下肢骨格筋が(4)の理由により,この実験系には不適当とも考えられ,実験動物をマウスへ戻すことを考慮している。しかし,この場合は,凍結標本での検討は筋量の制限から難しくなるので,マウス屠殺後室温放置による骨格筋虚血モデルで,MTT assayによる評価と虚血時間の関係を検討することに実験の主目的を変更せざるを得ないと考えている。
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