研究課題/領域番号 |
06671199
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 裕 大阪大学, 医学部, 助手 (90252676)
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研究分担者 |
嶋津 岳士 大阪大学, 医学部(救急医学), 講師 (50196474)
吉岡 敏治 大阪大学, 医学部(救急医学), 助教授 (60127313)
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キーワード | 一酸化窒素(NO) / NO_2^- / NO_3^- / サイトカイン / 摘出灌流肺 / 虚血・再灌流 / 肺血症 / 外傷 |
研究概要 |
敗血症性ショック患者および重度外傷患者の血中NOの変化を評価するとともに、体循環、肺循環動態を測定し、経時的なNOの変化と対比した。また動物実験で各種サイトカインがNOを誘導することが明らかにされているが、前述した患者を対象にサイトカイン(G-CSF、TNF、IL-6、IL-8)の変化を検討した。動物実験ではラット摘出灌流肺モデル、ラット脳虚血再灌流モデルを用いて虚血、再灌流時のNOの作用について検討した。 (結果):敗血症性ショック患者15例および出血性ショック患者19例について、血中NOの代謝産物であるNO_2^-、NO_3^-について測定した。その結果敗血症性ショック患者では全例経過中NO_2^-、NO_3^-は高値となることが明らかとなり、敗血症性ショック患者の血中では、大量のNOが産生されていることが示唆された。、逆に出血性ショック患者では正常か、むしろ低下する傾向にあり、現在この違いについて検討している。また血中G-CSF、TNF、IL-6、IL-8は、敗血症患者では増加しており、NOの誘導に関与することが示唆された。ラット摘出灌流肺モデルでは、アラキドン酸代謝産物であるトロンポキサンA_2が肺動脈圧の上昇や肺血管の透過性亢進を引き起こすことが示唆された。この場合NOを吸入させることにより肺動脈圧の上昇が抑制され、同時に肺血管の透過性亢進による肺水腫が抑制されることが明らかとなった。ラットの全脳虚血・再灌流モデルでは、虚血後よりNOの局所での産生が増加することが判明した。 (考察)敗血症患者においては、大量のNOが産生されていることが明らかとなり、サイトカインがNOの誘導に関与していることが示唆された。肺障害モデルでは、NOの吸入が肺動脈圧の上昇を抑制する作用ばかりか、直接肺血管の透過能をおさえる作用を持つ可能性が示唆され、吸入NOの濃度と肺血管のトーヌスの変化の関係について今後さらに検討する必要がある。脳虚血・再灌流モデルでのNOの局所での産生は、再灌流の脳血管拡張の原因として考えられることが示唆された。
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