研究課題/領域番号 |
06671210
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
大須賀 洋 愛媛大学, 医学部, 教授 (10036486)
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研究分担者 |
中田 達広 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (40260690)
阿部 康人 愛媛大学, 医学部, 助手 (30184229)
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キーワード | TNF / lymphotoxin / TNFレセプター / 好中球 |
研究概要 |
ヒト好中球の接着能を検討した結果、リンフォトキシン(LT)と腫瘍壊死因子(TNF)は好中球のプラスティックプレートへの接着能を濃度依存的に増強することが判明した。この系で、抗55-kDaおよび抗75-kDaTNFレセプター(TNF-R)抗体の刺激効果を検討した結果、好中球では発現性のむしろ低い55-kDaレセプターがシグナルを伝達していることが判明した。フローサイトメトリーを用いて好中球の各種細胞接着因子の発現性を検討した結果、CD18とCD11bの複合体であるMac-1の発現性がTNFあるいは抗55-kDaレセプター抗体によって増強されることが判明した。好中球の接着能をさらに検討した結果、プラスティックプレート内でのインキュベーション時間を長くすることによって、75-kDa TNF-Rの役割が明かとなった。すなわち、55-kDa抗体は好中球接着能を増強させたが、長時間(90〜180分)のインキュベーションによって、抗75-kDa抗体はその接着能を増強するともに、経時的に維持することが判明した。以上より、55-kDa TNF-Rを介したシグナルはTNFやLTのもたらす好中球の各種活性化の過程において、メインシグナリングを司っており、一方、75-kDa TNF-Rのシグナリングは少なくとも好中球の接着能や、その原因分子である接着因子の発現性のコントロールにおいて55-kDa TNF-Rのシグナルを増強維持することが明かとなった。
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