研究課題/領域番号 |
06671213
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中島 秀彰 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (20253528)
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研究分担者 |
本田 雅之 九州大学, 生体防御医学研究所, 医員
渋田 健二 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (70253531)
井上 裕 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (90203249)
村上 章 京都工芸繊維大学繊維学部, 教授 (60210001)
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キーワード | アンチセンス / c-myc / ヌードマウス |
研究概要 |
平成6年度は次の3つのサブテーマについて検討する予定であったが、いずれの項目においても以下の如き新しい知見が得られつつある。 (1)in vivoにおけるアンチセンス分子の抗腫瘍効果の検討:ヒト食道癌由来株細胞、乳癌由来細胞をヌードマウスに移植して腫瘍を形成させ、アンチセンス分子(AS/c-myc;5nmole/0.1ml)を腫瘍内に局注後1および3週後の組織像を観察したところ、AS/c-myc局注群では生食局注群に比べて著明な壊死像が認められた。 (2)in vivoにおけるAS/c-mycの細胞増殖抑制効果の検討;培養癌株化細胞の培養液中にAS/c-myc(1〜10μM)を添加して細胞増殖に及ぼす影響を^3H-thymidine uptake assayでみたところ、有意の増殖抑制効果が認められた。また、^3H-thymidine uptake assayとMTT assayを併行して両者の結果を対比することにより、AS/c-mycの増殖抑制効果を反映することの出来るMTTassayのプロトコールを設定を行い、臨床癌組織から得られた初代培養細胞の細胞増殖に及ぼすAS/c-mycの影響をMTTassayを用いて検証することが可能となった。 (3)c-mycRNAとProthymosin-α・mRNAの半定量的測定法の確立・RT-PCR法により描出した癌細胞由来のc-myc・mRNAのバンドとコントロールとしたGAPDHのバンドの放射活性をimage analyzerで測定して両者の比を算出することにより、個々の症例や株細胞における半定量的評価が可能となった。 これらの知見をもとに平成7年度に予定したサブテーマである「癌細胞株、臨床癌組織から得られた初代培養細胞のc-myc増幅とc-myc・mRNA発現量の解析」および「c-myc増幅やc-myc・mRNA発現量とアンチセンス分子による増殖抑制効果との対比」に関する検討に着手している。
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