研究課題/領域番号 |
06671218
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
君島 伊造 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00161547)
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研究分担者 |
土屋 敦雄 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (10117674)
浦住 幸治郎 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90203603)
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キーワード | 乳癌 / PCR / SSCP / エストロゲンレセプター / ミュータント |
研究概要 |
乳癌のER(エストロゲンレセプタ)の陽性例においても内分泌治療に反応しない例が存在する。一方でERの構造に変異が存在する可能性のあることが報告されてきている。今回われわれはERの陽性陰性から予想した内分泌療法の治療効果と実際が完全に一致しない原因として、ER陽性例におけるレセプタの変異が原因となっているという予想のもとに、PCR-SSCP法によるDNAのER領域の変異の検出を行った。 【方法】44例の乳癌症例の新鮮凍結腫瘍組織からDNAを抽出し、ERのexon2および7に相当する領域をPCRにより増幅した。この範囲はERをコードするDNAの約4分の1に相当する。それらのそれぞれについてSSCP(single strand conformation polymorphism)を施行した。 【結果】SSCPによってexon2では1例、7では4例でPCR増幅ができなかったがそれ以外の症例では正常組織と同様のバンドが検出された。しかし、今回検診したすべての症例においてSSCPにより異常は検出されなかった。 【考察】今回の検討ではすべての症例にてERに変異は発見されなかった。すなわち検索したエクソンの総てに異常が存在しない結果と解釈される。しかし正常ERのそれぞれのエクソンに相当するバンドは検出されていることから、実験系には問題ないものと考えられる。従ってもしERの変異が実際に存在するにも関わらず検出されないとすれば、検索している範囲の問題が考えられる。今後さらに範囲を広げて検索を進める予定である。
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