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1995 年度 実績報告書

SCIDマウスを用いた新しい治療実験系開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06671226
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

熊井 浩一郎  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30101984)

研究分担者 久保田 哲朗  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00118944)
キーワードSCIDマウス / ヒトIgG / 脾細胞
研究概要

Severe combined immunodeficient (SCID)マウスは、先天的にTおよびBリンパ球の機能不全を有するマウスは、先天的にTおよびBリンパ球が機能不全を有するマウスで、正常ヒト末梢血リンパ球が生着することが知られている。本研究では、正常ヒト末梢血リンパ球(PBL)および、胃癌患者の手術時切除脾組織をSCIDマウスに移植し、マウス末梢血のヒト免疫グロブリンの推移およびT細胞表面抗原を検討し、SCIDマウスにおけるヒト免疫系の再建に関する基礎的研究をおこなった。SCIDマウス(n=60)に正常ヒトPBL、胃癌患者の脾組織および単離脾細胞を移植しSCIDマウス末梢血中のヒト免疫グロブリンをELISA法により測定した。ヒトIgG、IgMの産生は移植後1週間目よりみられ、ヒトIgGの産生は静脈内投与より腹腔内投与および皮下移植で高く、投与細胞数に依存して高濃度のヒトIgGが産生された。再建された免疫系の機能をあきらかにする目的で、脾組織を皮下移植しヒト免疫系の再建されたSCIDマウスに破傷風トキソイド投与したところ、投与直後より抗破傷風ヒトIgGの産生が認められた。T細胞系の検討は、抗ヒトリンパ球表面抗原に対するモノクローナル抗体を用いて、flowcytometryによりSCIDマウス末梢血中単核球の表面抗原を測定した。PBLおよび脾細胞移植のみではマウス末梢血中に十分なヒトT細胞表面抗原陽性細胞の発現は認められなかったが、単離脾細胞をIL-2とともに4日間、抗CD3モノクローナル抗体とともに7日間前培養し腹腔内へ移植することにより、SCIDマウス末梢血中の単核細胞の10-25%にヒトCD3, CD4, CD8表面抗原陽性細胞の発現が確認された。これらの検討により、脾組織皮下移植または脾細胞腹腔内移植により、SCIDマウスにヒトT・B細胞由来のヒト免疫系の再建が可能であることが示され、本実験系はin vivoヒト免疫系の有用な実験方法と考えられた。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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