研究課題/領域番号 |
06671227
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
大谷 吉秀 慶應義塾大学, 医学部・外科学教室, 助手 (20168983)
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研究分担者 |
桜井 嘉彦 慶應義塾大学, 医学部・外科学教室, 助手 (90245514)
亀山 香織 慶應義塾大学, 医学部・病理学教室, 助手 (10245467)
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キーワード | 消化器癌 / 転移 / MMP / colldgenase / 間葉系細胞 / 細胞外マトリックス / colldgen / in situ hybridization |
研究概要 |
ヒト胃癌組織におけるマトリックス分解酵素(matrix metalloproteinases)の臨床学的意義を明らかにし、癌細胞の転移抑制法の確立を目指して研究を進めてきた。 消化管壁を構成する主たる細胞マトリックスはコラーゲンであり、なかでもI型およびIII型コラーゲンがその大部分を占めている。そこで、これらコラーゲンを特異的に分解する間質性コラゲナーゼ(MMP-1)の産生細胞を同定する目的で、MMP-1 cDNAプローブを用いて、消化器癌組織におけるin situ hybridizationを実施した。その結果、ヒト胃癌、大腸癌、食道癌組織における検討から、癌細胞以外の、間葉系細胞や血液細胞がマトリックス分解酵素を産生していることを明らかにすることができた。とくに平成7年度の研究では、血液系細胞のなかでも好酸球がその産生に大きく関与することを示唆する結果が得られた。 従来、癌細胞そのものが独自の機序で湿潤・転移していくものと考えられていたが、宿主側の細胞も重要な役割を演じていることが明らかにされた。癌細胞の浸潤・転移機序を明らかにしていくうえで、有意義な結果が得られたものと思われる。
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