研究概要 |
1.アロプリノールは骨格筋虚血再灌流障害を抑制できるか否かを雑種成犬の薄筋を用いたモデルで実験した。虚血時間は6時間、再灌流は2時間とし、筋肉の先端に微小な透析膜のついたmicrodialy-sis probeを刺入し、筋組織中のプリン(xanthine,hypoxanthine,inosine),MDA等を経時的に測定した。これらをアロプリノール投与群,非投与群で比較検討した。その結果、アロプリノールは活性酸素の産生を抑制し骨格筋の虚血再灌流障害を抑制していた。また,アロプリノール投与は虚血前投与より,再灌流直前投与がより効果的であった。また、同時に静脈血中の好中球の活性酸素のscavengerとしては働いていなかった。これらより、アロプリノールの再灌流障害抑制効果は筋組織のxanthine oxydase阻害によるものであり、好中球由来の活性酸素抑制によるものではなかった。 2.骨格筋のviabilityは、確立されたTTC assayにより定量出来る。しかし、この方法は筋組織のサンプルを必要とする侵襲的なものである。microdialysisを用いて、僅かな侵襲で重症虚血状態にある筋肉のviability判定できるか否かを実験した。ラットの後肢の筋肉を10時間の虚血とし、TTC ass-ayによるデータとmicrodialysisによるデータを比較したところ、microdialysisによりviabilityの判定が出来ることが判明した。
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