研究課題/領域番号 |
06671247
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
多田 敬一郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (80271568)
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研究分担者 |
橋本 雅司 財団法人沖中成人病研究所, 研究員
皆川 正己 東京大学, 医学部(病), 医員
日下 浩二 東京大学, 医学部(病), 助手 (90241992)
針原 康 東京大学, 医学部(病), 助手 (10189714)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 肝硬変 / 肝切除 / 肝再生因子 / TGF-α / EGF / インスリン |
研究概要 |
四塩化炭素とフェノバルビタールの経口投与による方法で、肝硬変ラットモデルを作成した。全投与期間での死亡率は24、1%で 生存ラットはほぼすべて組織学的に完成された肝硬像を示した。この肝硬変ラット、および正常ラットに対して70%肝切除を行い、24時間後の^3H-thimidine incooporationを測定した。正常ラット37.3±3.4cpm 1μg DNA(n=5,mean±SE)に対して 肝硬変ラットでは15.6±3.4cpm 1μg DNA(n=5)と有意に低く、肝再生の障害が明らかになった。引き続いて、transforming grouth facta α(TGF-α)、epider mal grouth facta(OEDF) インスリンなどの増殖因子の効果を検討した。まず正常ラットに70%肝切除術を行い、EGF、およびTGF-αの単独投与(30nmolen/kg)を行ったが、術後24時間の^3H-thoyondoneのDNA取り込みによるDNA合成率の増加はみられなかった。これに対して、肝硬変ラットに70%肝切除術後、EGF単独、および、EGFとインスリン、TGFの単独の投与を行ったが、EGF単独投与群ではDNA合成の改善はみられなかったが、EGFナインスリン、および、TGFの単独投与群では、DNA合成の著明な改善がみられた。TGF-αは肝より内因性のTGF+αが分泌されており、正常肝では肝再生に十分な量のTGF-αが作用しているが、硬変肝では、この内因性のTGF-αが低下しているために、単独投与にても肝再生増進作用があるのではないかと推察された。これら細胞増殖因子が肝硬変などの肝再生障害剤で肝部分切除後の肝再生を促進し術後肝不全の回避につながることが示唆された。
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