(1)家兎を対象とした塞栓物質のスクリーニングでは、ゼラチンパウダーの水溶液で門脈を塞栓すると、肝実質は2週間でほぼ正常に戻り、トロンビンを追加する事により効果的な塞栓状態を招来する事が明らかになった。また亜区域もしくは区域程度の門脈塞栓による肝全体に及ぼす影響はそれ程大きなものでは無いことも明らかになった。 (2)我々の開発したダブルバルーン付きの4ルーメンPortal Occulusionカテーテルにより効果的な術中門脈遮断、さらにはそのカテーテルを介しての門脈塞栓物質の注入が比較的容易に行えるようになった。 (3)術前の肝細胞癌例にTAE後3〜15日おいて門脈塞栓を行った後更に1ケ月後にその区域の肝切所を行い、腫瘍細胞がほぼ完全に壊死に陥っている事が確認できている。さらに手術も安全に行えることが明らかになってきている。
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