研究課題/領域番号 |
06671260
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
酒井 聡 岐阜大学, 医学部, 助手 (80225755)
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研究分担者 |
福地 貴彦 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員
山内 希美 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員
千賀 省始 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20226690)
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キーワード | 電気インピーダンス / 高エネルギー燐酸化合物 / ミトコンドリアスコア / UW液 / 肝虚血 |
研究概要 |
ラット正常肝の冷虚血実験を行ない、電気インピーダンス、超微形態、肝組織中高エネルギー燐酸化合物、肝組織水分含有量の変化を測定した。肝を切除後直ちに4℃生理食塩水(生食群)、4℃ University of Wisconsin液(UW群)中に単純浸漬した。その結果、1.電気インピーダンス測定では、虚血開始時に対するloss tanδの比(%tanδ)は、生食群では虚血後4時間まで、UW群では虚血後12時間まで急速に低下しそれ以後は低下は緩徐となった。2.超微形態の変化では、Flamengのミトコンドリアスコアによりミトコンドリアの形態を評価した。虚血後両群ともにスコアは上昇しミトコンドリアの破壊が進行した。しかし、UW群は生食群と比較して破壊の進行が緩徐で、ミトコンドリアの形態がより保たれていた。3.肝組織中高エネルギー燐酸化合物では、虚血前値に対するATPの比(%ATP)は、生食群では虚血後4時間まで、UW群では虚血後12時間まで急速に低下したが、それ以後は低下は緩徐となった。4.肝組織水分含有量は虚血後、生食群では増加したが、UW群では増加がみられなかった。5.生食群では虚血4時間まで、UW群では虚血後12時間まで%ATPと%tanδの間には正の相関関係が認められた。 したがって、電気インピーダンスの指標であるloss tanδは、生理食塩水中の冷虚血4時間まで、UW液中の冷虚血12時間までの肝組織中ATPの変化を捕えている可能性が示唆された。しかし loss tanδの変化が緩徐となってからはミトコンドリアスコアが示す組織学的変化を捕えることはできなかった。また UW液中の冷虚血ではloss tanδは肝組織水分含有量の変化がみられないのにもかかわらず変化したことにより、loss tanδは肝組織水分含有量には大きな影響を受けないことが示唆された。
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