1.胃癌におけるMAPKinaseの活性をゲル内リン酸化法によって測定した。今回その際MAPKinaseに対する抗体を用いて、免疫沈降法を行い、bandの位置確認をし、またMAP kinaseのisoformであるERK1とERK2各々別々に判定した。結果はいずれも正常に比し、癌部で1.3倍以上の活性上昇例においてしょう膜浸潤、リンパ節転移率は高値を示し、再発予後は有意に不良であった。 2.抗リン酸化チロシン抗体でimmunoblotを行ったところ、MAPKinaseのbandに一致して発現を認めた。MAPKは活性化に際し、チロシン基がリン酸化されることが知られており、その活性化を裏付ける結果が得られた。 3.大腸癌でほぼ全例においてMAPKinase活性は上昇しており、さらに上流のMAPK Kinase活性を測定するため現在GST-ERKを精製中である。 4.抗MAPK抗体を用いたimmunoblotではMAPKのリン酸化による分子量変化に伴う、gel shiftを一部の症例に認めており、活性化との関係を検討中である。 5.抗MAPK抗体を用いた免疫組織染色を胃癌、大腸癌で準備中である。
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