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1995 年度 実績報告書

術後上部消化管出血に対するドパミンの意義

研究課題

研究課題/領域番号 06671273
研究機関神戸大学

研究代表者

長畑 洋司  神戸大学, 医学部, 助手 (10218018)

研究分担者 安積 靖友  神戸大学, 医学部・附属病院, 医員
齋藤 洋一  神戸大学, 医学部, 教授 (90004803)
キーワードドパミン / 上部消化管出血 / 免疫組織化学 / 術後潰瘍 / システアミン / 消化器外科手術
研究概要

Wistar系雄性ラットを用いて胃壁内ドパミンの局在を検討した。方法は、5%glutaraldehydeで灌流固定後、摘出した胃を同じ固定液でさらに浸漬固定した後、前胃、胃体部および幽門部の凍結切片を作成し、抗ドパミン抗体を反応させた。さらに、horseradish peroxidase標準抗ウサギIgG抗体を反応後発色させ光顕下に観察した。また、2%オスミウム酸で1時間固定した後エポン包埋し超薄切片を電顕下に観察した。
結果は、前胃の光顕像では粘膜上皮と粘膜筋板にドパミンの反応が強く認められ、粘膜固有層と粘膜下層にも弱い反応が認められた。胃体部と幽門部では粘膜上皮にドパミンのびまん性の反応が認められたが、粘膜固定有層、粘膜筋板ならびに粘膜下層ではドパミンの反応が認められなかった。一方、電顕像では、主細胞の粘液顆粒の辺縁にドパミンの点状反応を認めた。
次に、ラットに急性潰瘍を作成して、前胃、胃体部および幽門部のドパミンの反応の変化を検討したところ、急性潰瘍形成時にはドパミンの反応が著しく減弱し、胃体部および幽門部ではドパミンの反応がみられなかった。また、システアミン200mg/Kgを投与して、胃体部粘膜および前庭部粘膜のドパミンの変動を検討したところ、システアミン投与2時間後から8時間後まで、胃体部および前庭部ともドパミンが著しく減少した。ところが、投与16〜24時間後にはシステアミン投与前値の水準に回復した。
臨床例の検討では、前進麻酔下に消化器外科手術を施行させた症例のうち胆石症と上部消化管に対する手術例を除外して検討した。黄疸合併症例や手術侵襲の大きい症例などのpoor risk症例に対する術後のストレス潰瘍の発生予防にはH2受容体拮抗剤とドパミンの併用が有用であった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 川北直人: "Cysteamine投与後の胃粘膜Dopamineの変動" Ulcer Research. 22. 205-208 (1995)

  • [文献書誌] 長畑洋司: "Cysteamine投与後の胃粘膜Dopamineの変動に関する免疫組織化学的検討" Cytoprotection and biology. 13. 31-34 (1995)

  • [文献書誌] 安積靖友: "内因性dopamineの胃粘膜防御作用" 消化器科. 21. 353-359 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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