1.ウサギ肝癌モデルの作成 VX2癌を1×10^6のsingle cellにして門脈本管から注入したところ腫瘍は肝臓で増殖し、1週間めで粟粒大の小結節を多数認め、2-4週間で5mm-1cmの結節を多数認め、ウサギ肝癌モデルの作成は樹立できた。しかし、選択的に肝動脈にカテーテルを挿入するのが手技的に困難なため、カテーテルを右大腿動脈から総肝動脈への挿入を試みたところなんとか行うことができたが、実際プラキチンを注入する段階で、プラキチンの顆粒が大きいためカテーテルが詰まりやすく、プラキチンを混和させるための生食水の量がどうしても多くなるため他動脈へのback flowが大きくなり肝外に薬剤の流出を認めた。以上よりウサギのプラキチン肝動注モデルは手技が困難なため樹立できていない。 2.ウサギ肝癌モデルを用いたプラキチン門脈内投与の実験 ウサギ肝癌モデルに対して、プラキチンの門脈内投与は手技的には問題なく比較的簡単に行えた。VX2癌1×10^8個を移植1週間後にプラキチン6mg/kgを投与したところ、十分な抗腫瘍効果が得られなかったため、VX2癌とプラキチンを同時投与したところ6匹中1匹に腫瘍の抑制効果がみられただけで、やはり十分な抗腫瘍効果は得られなかった。そこでプラキチンを7日前に投与しておきその後にVX2癌を移植してみたが、現在のところ3匹中いずれも腫瘍の抑制効果はなかった。プラキチンのCDDP含有量、移植癌細胞数、薬剤投与法などに再検討の余地ありと判断した。
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