• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

ポジトロンCTによる生理学的な分肝機能検査法の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06671297
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

谷口 弘毅  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20217136)

キーワードポジトロンCT / 分肝機能検査 / 肝血流量 / 肝血液量
研究概要

サイクロトロンおよび自動合成装置により作成したC^<15>Oを全身麻酔下の家兎に1回吸入させ、ポジトロンCTスキャンを行い、肝血液量を算出した。また、ヒトではH_2^<15>O1回静注による動態法を用いた肝血流量測定およびC^<15>O_2連続吸入による定常法を用いた肝血流量測定[肝血流指数(HPI)]を行った。肝血流指数(HPI)は非障害肝、慢性肝炎、肝硬変とすすむにつれ低下し、非障害肝と肝硬変では有意差が認められた(p=0.025)。しかし、肝硬変症例に限ればChild A、B、Cと進むにしたがってHPIは上昇した。HPIはICGR_<15>とp=0.04で相関を示したがr=-0.21と相関係数は低値であった。ただし、ICG不耐症であった1例を除くとp=0.02、r=-0.25であった。HPIはヘパプラスチンテスト(r=0.31,p=0.002)およびg-グロブリン(g-Glb)(r=-0.24,p=0.02)と有意の相関を示したがプロトロンビン(PT)時間(r=0.058,P=0.57)、TTT(r=0.13,p=0.21)とは相関を示さなかった。さらに、HPIはICGR_<15>、HPT、PT時間、g-Glb、ZTT、TTT、コリンエステラーゼ、アルブミン、総コレステロール、総ビリルビン値と重相関した(r=0.46,p=0.02)。また、HPIはH_2^<15>O1回静注による動態法による総肝血流量(HBFt)と相関した(r=0.34,p=0.0006)。これは動態法による門脈血流量(HBFp)(r=0.21,p=0.04)との相関より動脈血流量(HBFa)(r=0.61,p=3.2×10^<-11>)との相関によるものであると考えられた。すなわち、HPIは総肝血流量よりむしろ肝動脈血流量を反映しており、そのため重症の慢性肝障害の場合、HPIでは肝障害の程度を過小評価する可能性があると考えられた。したがって、慢性肝障害が進行しているときにはH_2^<15>O静注動態法を行った方が正確と考えられた。しかし、C^<15>O_2吸入定常法は簡単であるので、肝障害のスクリーニングに利用価値があると考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 谷口 弘毅: "ポジトロンCTによる肝の局所血流量測定" 薬理と治療. 23. S215-S222 (1995)

  • [文献書誌] Hiroki Taniguchi: "Determination of the spleen-blood partition coefficient for water with oxygen-15-water and oxygen-15-carbon dioxide dynamic PET" Journal of Nuclear Medicine. 36. 599-602 (1995)

  • [文献書誌] Kazumi Takeuchi: "Quantification of human paucreatic blood flow by positron emission towography with oxygen-15-water" Journal of Kyoto Prefectural University of Mediclne. 104. 609-616 (1995)

  • [文献書誌] Hiroki Taniguchi: "Analysis of models for quantification of arterial and tor tal blood flow in human liver using PET" Journal of Computer Sssisted Towography. 20. 135-144 (1996)

  • [文献書誌] 谷口 弘毅: "ポジトロンCTを用いたC^<15>O_2吸入定常法による肝局所血流量測定の意義" 薬理と治療. 24. S53-S57 (1996)

  • [文献書誌] 増山 守: "肝硬変は非侵襲的に診断可能か?-ポジトロンCTを用いた肝の局所血液量測定" 薬理と治療. 24. S59-S62 (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi