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1994 年度 実績報告書

大腸手術後の排便機能障害と大腸肛門内圧、便輸送能、便排泄能に関する生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06671302
研究機関独協医科大学

研究代表者

大矢 正俊  獨協医科大学, 医学部, 講師 (80254944)

研究分担者 広瀬 清貴  獨協医科大学, 医学部, 助手 (30265326)
中村 哲郎  獨協医科大学, 医学部, 助手 (50254991)
キーワード大腸手術 / 排便障害 / 大腸運動 / 直腸肛門内圧 / 大腸通過時間 / 排便造影
研究概要

1.肛門括約筋温存の直腸切除術を施行された患者24例の術前・術後に直腸肛門機能検査を施行し、術後の排便機能と機能検査で計測された諸因子との間で重回帰分析を用いて、術前の機能検査の成績から術後の排便機能が予測可能であることを見い出した。2.肛門括約筋温存の直腸切除術の術後患者21例に排便造影検査を施行し、排便機能不良例では良好例よりも直腸肛門角が鈍角化していることを見い出した。3.(1)肛門括約筋温存直腸切除術の術後の患者11例にX線不透過マーカーとIn-DTPAを併用した全大腸・大腸区域の通過時間検査を施行し、排便頻回の例では左側大腸通過時間の延長があり、便秘傾向の例では横行結腸通過時間が延長していることを見い出した。(2)同様の検査を正常ボランティア10名にも施行し、直腸切除術術後患者では正常者に比べ全大腸通過時間・横行結腸通過時間が有意に延長していることが判明した。(3)さらに、左側大腸癌切除術を施行された患者12例に対して、術前・術後の両方にX線不透過マーカーによる通過時間検査を施行した結果、横行結腸通過時間が手術により有意に延長し、延長の程度が術後の便通異常に関連していることが判明した。(4)これらの成績から、術後の排便機能異常には左側大腸の便輸送能の異常、その結果生じる横行結腸での糞便の停滞が強く関与していることが示唆された。4.肛門括約筋温存直腸切除術の術後患者7例に長時間の大腸肛門内圧検査を施行し、その結果を専用ソフトウエアEight Starで解析した。排便機能異常の症状の強い例のうちには、S状結腸に不規則な運動波が夜間の出現する例、吻合部の口側での突発的な単発性の強収縮波が認められる例があった。これらの運動波の意義についてはさらに症例を増やして検討していく予定である。5.これらの成績は平成6年11月〜平成7年5月の学会で順次発表しつつあり、平成7年中には投稿論文としていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 大矢正俊: "慢性機能性便秘症例における3種類のX線不透過マーカーを用いた大腸通過時間の検討" 日本大腸肛門病学会雑誌. 47. 393-400 (1994)

  • [文献書誌] 大矢正俊: "直腸・肛門の機能と検査法" 手術. 48. 1443-1450 (1994)

  • [文献書誌] 大矢正俊: "3種類のX線不透過マーカーによる慢性機能性便秘症例の全大腸および大腸区域の通過時間の検討" Journal of Smooth Muscle Research. 30. 200-203 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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