研究課題/領域番号 |
06671315
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
今泉 俊秀 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (10075377)
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研究分担者 |
羽鳥 隆 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50208550)
中迫 利明 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50155694)
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キーワード | 膵頭十二指腸切除術 / 膵腸吻合縫合不全 / ソマトスタチン / 膵頭部領域癌 |
研究概要 |
膵頭十二指腸切除術後・早期合併症の中でその対処に最も難渋する事が多い膵腸吻合縫合不全に対して、膵外分泌抑制ホルモンであるソマトスタチンを用いて膵腸吻合縫合不全の抑制効果を検討すると共に、ソマトスタチンの膵外分泌調節機構に及ぼす影響について研究した。 教室で行う膵頭十二指腸切除術に関して、平成6年度研究では膵が柔らかく膵外分泌機能が正常に保たれている(high-risk group)にソマトスタチンによる膵腸吻合縫合不全の抑制効果が見られる傾向があった。平成7年度の今回は、high-risk groupのうち膵管空腸粘膜縫合を行い、stent-tubeを挿入して膵液を体外に誘導するstent群(n=30)、膵管空腸粘膜縫合のみを行いstent-tubeを挿入しないno-stent群(n=26)とに分け同様な研究を行った。この結果、膵腸縫合不全発生率は各々13%,16%と有意差はなく、stent-tubeの挿入の有無に関わらず、ソマトスタチンによって膵腸吻合縫合不全の抑制効果は良好であった。一方、ソマトスタチンの膵外分泌調節機構に及ぼす影響について、膵外分泌刺激ホルモンとしてセクレチン、コレチストキニン、ガストリン、インスリンを、また、膵外分泌抑制ホルモンとしてパンクレアチック・ポリペプタイド、グルカゴンを経日的に測定したが、今回の検討では膵外分泌調節機構に明らかな相関は認められなかった。今後、更に各種膵・消化管ホルモンや胆・膵相関、胃・膵相関、肝・膵相関などの相互関係を解明してゆく事が、次なる課題である。
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