研究分担者 |
高野 浩昌 千葉大学, 医学部, 助手 (40272314)
飯笹 俊彦 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (10272303)
斎藤 幸雄 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (60261905)
藤澤 武彦 千葉大学, 医学部, 助教授 (80110328)
山口 豊 千葉大学, 医学部, 教授 (80009448)
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研究概要 |
ポリスチレンディッシュを用いたexplant cultureにおいて,正常ヒト気管支上皮細胞(以下NHBEC)の増生にはTypeIVコラーゲンにラミニン,フィブロネクチンを加えるコーテイングが有効であるとの結果をふまえ,医療用に市販されている厚さ0.6mm,pore size約300μmのpolypropylene製Marlex meshを人工気管素材として選びin vitroにおけるNHBECの増生を検討した. 【材料と方法】あらかじめ底をくりぬいた60mmのディッシュに,以下に述べるコーテイングを行ったMarelx meshを張り付け,100mmディッシュに置き本実験の培養システムを作成した.A群:TypeIコラーゲンを厚くコーテイングした,B群:A群にTypeIVコラーゲン,ラミニン,フィブロネクチンを重層した,の2群を作製し比較検討した.手術標本より気管支片を採取,Marlex mesh上に静置しexplant cultureを開始した.無血清培地LHC‐9を用い,CO_2 incubator(5%CO_2,36.5℃)内で培養を行い,増生の見られた39日から41日の培養後,2%グルタールアルデハイドにて48時間固定,ギムザ染色し増生面積を測定した 【結果】TypeIコラーゲンを厚くコーテイングした上にTypeIVコラーゲンおよびラミニン,フィブロネクチンの細胞接着蛋白質をコーテイングすることでNHBECの増生は,TypeIコラーゲン単独のみに比して促進された. 【結論】以上より無血清培地を用いたNHBECのoutgrowth培養法の検討では,TypeIVコラーゲンにラミニン,フィブロネクチンの細胞接着蛋白質を加えるコーテイングがNHBECの増生に非常に有効であり,mesh型人工気管内腔面を気管(支)上皮細胞で被覆させるために有用な基材となる可能性が示唆された.
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