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1994 年度 実績報告書

心移植後冠動脈硬化病変の発生機序及びその防止策に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06671342
研究機関大阪大学

研究代表者

谷口 和博  大阪大学, 医学部, 助手 (90171842)

研究分担者 澤 芳樹  大阪大学, 医学部, 助手 (00243220)
中田 精三  大阪大学, 医学部, 助手 (50116068)
白倉 良太  大阪大学, 医学部, 教授 (00116047)
キーワード心移植 / 冠動脈硬化
研究概要

心移植後冠動脈硬化病変発生のin vivo実験モデルの確立において、主要組織適合性抗原の異なる組み合わせ、及び主要組織適合抗原を共有する組み合わせのラット異系心移植行った。両組み合わせとも薬剤による免疫抑制を行い移植心の長期生着を得、移植後40日目以降に冠動脈硬化病変が生じるモデルを確立した。これらのモデルについて免疫学的、組織学的解析を中心に行ってきた。即ち両モデルにおいて、不完全な寛容状態で病変が生じることがわかった。また病変発生に関与する免疫系は、細胞性免疫の関与が示唆された。さらに本実験系においては液性免疫(抗ドナー抗体)は病変発生には関係ないものと考えられた。そこで病変発生には細胞性免疫の関与が、どの程度の強度、どの程度の期間必要かを検討するために『戻し移植』モデルを考案し実験を行った。即ち移植心をある一定期間(3-9日間)後に取り出しドナーと同系のラットに再移植し、その後の免疫刺激を取り除いた状態で病変の発生を検討している。実験系としては、先に述べた実験で確立した冠動脈硬化病変を生じるラット心移植モデルを応用した。結果は移植3日後移植心を取り出しもとのドナーと同系ラットに戻し移植を行い、40日目に冠動脈硬化病変を認めなかった。しかし、移植5日後に戻し移植を行ったものについては40日目に冠動脈硬化病変を認めた。移植7日、9日後に戻し移植を行ったものも同様に病変を認めた。このことから移植後5日目までの初期の免疫刺激により決定づけられると考えられた。現在本病変発生機序は、移植後の持続的な刺激により発生すると考えられているが、今回の知見はこの考えを全く覆す結果となった。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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