研究概要 |
本研究の始めの計画ではリハビリは病院のリハビリ室で外来患者として1週間に5日行う予定であったが自宅が遠方のため毎日の通院ができないこと、まや自宅で自主的なリハビリをしていることがりこの部分の評価が出来ないことなどから万歩計を用いた家庭でのリハビリに変更した。1.対象:術前の肺癌患者とした。2.方法:万歩計を用いてリハビリ前の1日歩数を1週間測定し、平均1日歩数を求めた。平均1日歩数の2倍以上の歩数を歩くよう指示し、1週間毎に外来にて歩数のcheckとmotivationの目的でtreadmillで運動負荷を行った。3週間以上のリハビリができた症例を評価可能症例とした。リハビリの前後に肺機能と段階的運動負荷試験を行い機能改善が見られるか検討した。3.結果:4例に大して家庭リハビリを行った。平均年齢は65歳(男3、女1)、リハビリ前の平均1日歩数は6281歩で平均26日間(21-30)、219%の歩数で家庭リハビリができた。リハビリ前後の肺機能はFVC(3.5±1.3→3.6±1.2L),FEV1.0(2.1±0.8→2.2±0.8L/s),MVV(78.7±31.6→84.0±31.2L/min)は有意な変化を認めなかった。運動負荷試験においては最大酸素摂取量(VO_21086±465→1212±423ml/min),O_2-pulse-max(7.8±2.9→8.8±2.5ml)、および、静脈血乳酸血が2.2mmol/Lの時点での体表面積当たりの酸素摂取量(La-2.2VO_2/BSA474±112→510±148ml/min/m^2)はともに有意に上昇した。 以上より約3週間の万歩計を用いた家庭リハビリで運動能の改善が得られることが明らかとなった。O_2-pulse-max、La-2.2VO_2/BSAの改善から循環の改善であることが示唆された。今後さらに症例を重ね検討する予定である。また、運動能の改善が肺切除術後のmorbidity,mortalityの改善に有効かどうか検討する予定である。
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