| 研究課題/領域番号 |
06671360
|
|---|
| 研究種目 |
一般研究(C)
|
| 配分区分 | 補助金 |
|---|
| 研究分野 |
胸部外科学
|
|---|
| 研究機関 | 独協医科大学 |
|---|
研究代表者 |
知之 正行 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40191902)
|
|---|
| 研究分担者 |
嶋田 晃一郎 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60009488)
安田 真一 獨協医科大学, 医学部, 研究員 (60133279)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
| キーワード | 肺癌 / 増殖抑制 / 遺伝子解析 / アンチセンスオリゴヌクレオチド |
|---|
| 研究概要 |
従来の癌化学療法での基となる細胞障害性の特異性は、癌細胞と正常細胞間の違いの細胞増殖能に起因する薬剤の取り込み率に大きく依存しているが、癌の大部分を占める進行癌の化学療法での長期生存率の成績に満足できるものが得られていないことより、新たな薬剤や治療法の開発が望まれる。細胞生物学から得られた情報に基ずき、著者らはアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製し、肺癌の細胞増殖を特異的に抑制することを計画した。ターゲット遺伝子としては、肺癌に高頻度に発現があり、また、発生頻度が高く、治療に対して抵抗性のある肺腺癌を考慮してトランスフォーミンググロースファクターα(TGF-α)を選択した。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは3下流領域を選択し、ホスホチオエ-ト型に修飾したものを作製した。RT-PCR法を使用した癌細胞のTGF-α遺伝子の解析より、肺癌細胞7株と線維肉腫にその発現を認め、3株の肺癌では強い発現が見られた。強い発現を認めた肺癌株HPC-93EP細胞の細胞増殖に対して、TGF-αアンチセンスオリゴヌクレオチドは抑制を示し、その効果は濃度に依存性であったが、対照のTGF-αセンスオリゴヌクレオチドでは増殖抑制が見られなかった。次に、アンチセンスオリゴヌクレイチドの細胞増殖の抑制をフローサイトメトリーによるTGF-α蛋白の発現とRT-PCR法によるmRNAレベルのTGF-α遺伝子産物の発現にて検討したところ、蛋白陽性細胞数は濃度依存的に減少し、TGF-α遺伝子産物の発現でも減少が見られた。
このように、増殖因子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドは肺癌の可能な治療として有望であると思われた。
|
