Longa法によりラットの一側中大脳動脈(MCA)閉塞モデルを用いて脳虚血および再潅流を行った。血流遮断1-2時間後、再潅流し4-6時間後に好中球の血管外、脳実質内侵潤が認められた。これに伴い、テトラゾリウム染色によりMCA領域の梗塞範囲も増大した。体性感覚誘発電位(SEP)もMCA血流遮断直後よりも再潅流後、著明に低振幅、潜時延長が認められた。 抗ラットICAM-1抗体により免疫染色では再潅流後にICAM-1の発現が増強された。しかし、抗マウス、抗ヒトEセレクチン(ELAM-1)や抗ヒトEセレクチン/Pセレクチン抗体での染色性は一定でなく、ラットEセレクチンおよびPセレクチンとの交差反応性は低いと判断された。このため、中和抗体として抗ラットセレクチン抗体の代わりに抗マウス、抗ヒトEセレクチン(ELAM-1)を使用することを断念した。 現在、抗ヒトLセレクチン抗体がウサギLセレクチンと交差反応性があるとの報告に基づき、実験動物をウサギに変更して実験を再開している。
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