研究課題/領域番号 |
06671381
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
安藤 隆 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90126722)
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研究分担者 |
竹中 勝信 岐阜大学, 医学部, 助手
横山 和俊 岐阜大学, 医学部, 助手
岩井 知彦 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (80223361)
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キーワード | calcium / NMDA / nitric oxide / hippocampal slice |
研究概要 |
神経細胞内伝達物質として、重要な細胞内カルシウムイオン濃度([Ca^<2+>]i)とnitric oxide(NO)との関係を明らかにすることは、虚血時の病態解明において重要と思われる。NO donorであるSodium Nitroprusside(SNP)、S-nitroso-N-acetylpenicillamin(SNAP)及びNO inhibitorであるN-nitro-L-arginine(L-NNA)が、N-methyl-D-aspartate(NMDA)により誘発される[Ca^<2+>]i変化におよぼす影響及び低酸素無グルコース負に対するSNPの作用について、ラット海馬スライスを用いて検討した。NMDA(100μM)を含む人工脳脊髄液で 流すると[Ca^<2+>]iは、一過性に急激に上昇した。NMDAとSNPの同時負荷により〔Ca^2〕iの上昇の程度はSNP濃度依存性に減少する傾向を認めた。NMDAとSNAPの同時負荷ではNMDA単独と上昇の程度には差はみられなかった。L-NNA前投与後、NMDAとSNPの同時負荷ではSNP濃度依存性に減少する傾向を認めた。低酸素無グリコース負荷による持続的な上昇に対してSNPは抑制効果を示さなかった。SNPはNMDAにより誘発される[Ca^<2+>]iの上昇を抑制したが、100倍のNO様作用を有するSNAPでは、抑制されず、又、NO合成酸素抑制剤の前投与でも[Ca^<2+>]iの上昇を抑制されなかったことよりSNPの[Ca^<2+>]i上昇の抑制はNOを介さない別の機序が推測され、SNPをNO作用性薬剤として使用するのは、注意が必要と思われた。
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