研究概要 |
平成7年度は、先に提出した研究計画に従って実験を展開し、以下の研究結果を得た。 摘出されたヒト脳腫瘍組織から効率よく高純度の微小血管を単離することができた。脳毛細血管の各種増殖因子受容体の存在と特性を、放射性リガンドとして、それぞれ^<125>I-endothelin-1,^<125>I-IGF-1,^<125>I-EGF,^<125>I-VEGF(165)を用いた我々のradioluminographic imaging plate system-定量的受容体オートラジオグラフィー法で明らかにすることができた。とくに、前年度のET受容体、IGF-I受容体、EGF受容体の特性解析と機能解析の成果に加えて、今年度はVEGF(vascular endothelial growth factor)受容体の存在を確認した。VEGFはflt-1(fms-like tyrosine kinase)遺伝子によるFlt-1受容体のリガンドである。^<125>I-VEGF(165)結合に対するHuman VEGF(38kDa),heparin,flagmin,suramin,低分子heparinの結合置換実験を行いヒト脳腫瘍毛細血管にも、Flt-1受容体が存在することを見出した。機能的にもVEGFは、培養脳腫瘍毛細血管内皮細胞の増殖を促すことを確認した。
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