研究課題/領域番号 |
06671410
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
菅野 洋 横浜市立大学, 医学部, 助手 (40244496)
|
研究分担者 |
矢尾 正祐 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00260787)
執印 太郎 高知医科大学, 医学部, 教授 (80179019)
山本 勇夫 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30158266)
藤井 聡 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (90173385)
|
キーワード | フォン・ヒッペル・ソンド-病 / 腫瘍抑制遺伝子 / 遺伝子診断 / 遺伝子産物 / 遺伝病 / 母斑病 / 血管芽腫 / 遺伝性脳腫瘍 |
研究概要 |
全国の大学、病院に協力を頂き、本邦に約100家系あると推定されるvon Hippel-Lindau(VHL)病の家系の血液を60家系以上集め、これよりDNAを抽出し、VHL腫瘍抑制遺伝子の分析に供した。分析方法は、VHL腫瘍抑制遺伝子を構成する3つのエクソンについて、polymerase chain reaction(PCR)法により、遺伝子を増幅後、電気泳動して、single strand conformational polymorphism(SSCP)解析を行い、異常の泳動パターンが認められた家系のDNAについては、direct sequence法にて塩基配列の解析を行った。また、SSCP解析にて異常が認められなかったVHL病の家系のDNAについては、southern blot法にて解析を行った。この結果、分析を終了した45家系のうちSSCP解析にて23家系に、southern blot法により、3家系、計26家系に遺伝子の変異を認めた。遺伝子変異様式は、アミノ酸の置換が14家系、欠失が5家系、挿入が2家系、スプライス部位の変異が2例であった。欧米の報告と異なり、nonsense変異はみられなかった。また、散発性の血管芽腫および腎癌の組織においても、同様の解析を行った結果、VHL腫瘍抑制遺伝子の変異と3p25-26領域を中心にヘテロ接合性の消失を約70%に認め、この遺伝子がこの2つの腫瘍の原因遺伝子と考えられた。さらに、この遺伝子の発現をin-situ hybridization法にておこなったところ、腎および小脳、脳幹部に発現を認めた。
|