研究概要 |
脳血管攣縮の発生機序の解明については、牛中大脳動脈における40mM KCl収縮に対するtrifluoperazineのdose-inhibition curveが,saponinによる内皮の除去と10nMのokadaic acidによるprotein phosphatase 1Aの阻害によって有意に左方偏位し、この変化はgryceryl trinitrateを追加することにより消失した。このprotein phosphatase 1Aにより脱リン酸化される蛋白の中にはactin制御蛋白であるcalponinも含まれており、okadaic acidを用いることによってcalponinのリン酸化による抑制が持続したためであると推測された。さらにこの偏位はクモ膜下出血モデルでの攣縮血管の標本において観察された偏位と同様であるため、攣縮血管ではcalponinのリン酸化が持続しているが、量の減少や機能低下が起きているのではないかと考えられた。この結果については第23回日本心脈管作動物質学会(松本)と第53回日本脳神経外科学会(徳島)において発表している。 また、脳血管攣縮の発生はmulti fuctorialであると考えられるため、脳血管攣縮の原因物質の相互増強作用について,40mM KCL,caffeine,PGF2_αの収縮に対して1mMOxy-Hb,10nM 5-HT,1nM endothelin-1、0.3μM・1μM PDAを10分間前投与してcontrol収縮が各々どれだけ増強されるかを計測する事により、収縮増強物質の血管平滑筋細胞におけるacting siteの解析を定量的に試みた。この結果については第10回スパズムシンポジウム(京都)において発表した。 血管平滑筋において収縮発生に重要な役割を果たしていると考えられるcalponinの量について、我々は、イヌのクモ膜下出血モデルにおいてday2,day7においてcalponinが減少することをwestern blottingを用いて明らかにしており、第10回スパズムシンポジウム(京都)と第53回日本脳神経外科学会(徳島)において発表している。
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