研究課題/領域番号 |
06671417
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
浅野 孝雄 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70090496)
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研究分担者 |
海津 啓之 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (30204308)
伊藤 正一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50223152)
松居 徹 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70199735)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | active tonus / video-system / 血管平滑筋 / 脳血管 / 脳血管攣縮 |
研究概要 |
従来のin vitroの方法では、1]血管内壁への一様な力の負荷、2]内皮損傷、3]血管内外の環境操作、4]血管内圧の保持、5]血管内流速調節ができない等の欠点があった。近年発表されたHalpernらのシステムは、これらの点を解消し、理想的実験条件を提供するものである。したがって、当システムは、我々がかねてから提唱しているところのactive tonusの増大が脳血管攣縮の発生機序の重要因子であることを解明するために最適であると考えられた。本研究期間で正常及び攣縮脳血管について研究実施する予定であったが、本システムの技術的困難さに慣れる事に時間を費やしてしまい、7-9週齢Sprague-Dawley rat脳血管の血管内圧変動に対する収縮弛緩現象を当システムを用いて検討することに終始した。血管をセット後、血管内圧を10mmHgより100mmHgまで上下させ装着作業によるmechanicl hysteresis effectを減少させた。その後、血管の安定化を計るために、30分以上30mmHgにて保持した。クレブス溶液を恒温槽内にて加温し、organ bath内を灌流した。流量はorgan bath内温度が37℃前後に安定する量とした。モニターテレビで、クモ膜などの付着のない部分を選びdimension analyzing systemのscanlineを設定した。その後、30mmHgより20-30秒かけて10mmHgステップで180mmHgまで血管内圧を上昇させ、約10分間ずつ血管内径、壁厚の変化を測定し、organ bath内温度、血管内圧と共にMacintosh用ソフトAcqknowledgeにて記録した。内圧40mmHgまでは圧上昇に伴って血管径は拡大した。一方、50mmHgから80mmHgまでは収縮がすすみ、その後150mmHgまで定常状態を維持した。それ以上の高圧になると血管は拡張した(hysteresis)。各々の設定圧での血管径の安定には数分を要した。また、organ bath内温度およびpH変化に血管径は極めて敏感に反応した。Osol等の結果と比較して、血管収縮はより低圧で始まって、血管径の維持範囲はより高圧まで広がっていた。これは、血流による内皮細胞の平滑筋収縮、弛緩機能への影響が、血管径維持調節機能に、深く関わっていることを意味している。今回の結果は、内圧が50から90mmHgの間で、(生理的条件下の値と推測され)、血管内圧変動に対しもっとも鋭敏に反応できる範囲と思われた。
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