研究課題/領域番号 |
06671425
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
片山 容一 日本大学, 医学部, 助教授 (00125048)
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研究分担者 |
坪川 孝志 日本大学, 医学部, 教授 (80058958)
越永 守道 日本大学, 医学部, 助手 (30267067)
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キーワード | reactive gliosis / astrocyte / microglia / cytokine / basic fibroblast growth factor / neural stimulation / 免疫組織化学 |
研究概要 |
私どもは、脊髄後索切断後のastrocyteの変化を詳細に検討したところ、損傷部からはるかに離れた延髄の後索核の神経細胞周囲に、強いbFGF活性を示すreactive astrocyteが出現することを見いだした。また同部におけるmicrogliaの反応を免疫組織学的に観察すると、同時にOX42強陽性のameboid microgliaの出現が認められた。このmicrogliaのactivationとastrocyteのGFAP反応の増加を経時的に観察するとmicrogliaにおけるOX42免疫反応性の増加は、常にreactive astrocyteの出現より早期に認められることより、この反応は、入力を失った後索核神経細胞周囲に内因性のmicrogliaのactivationを介して特異的に発生するものと考えられた。また、片側の視床知覚中継核をあらかじめ破壊し、後索核神経細胞を変性させておくと、その対側のnucleus gracilisには後索切断後のreactive gliosisが発生しないこと、後索切断後早期のnucleus gracilisでの神経活動水準をcytochrome oxidase(CYO)活性により観察した場合、microgliaのactivationのはじまりとCYO活性増加の時間的経過が一致することより、このreactive gliosis後索核神経細胞の存在と機能状況によって発生することが明かとなった。さらに後索切断した後に一側の視床中継核を持続的に刺激し、後索核におよびこれに関連した神経回路に機能状況を人為的に変化させることによって、後索核のみならずさらに上位の大脳皮質知覚領野にも類似のreactive gliosisが認められることも明かとなった。現在これらの神経機能変化に伴うreactive gliosisの発生のメカニズム解明のため、bFGFおよびGFAP mRNAのinsitu hybridizationおよびInterleukin 1の組織内contentの測定について現在検討中である。
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