研究課題/領域番号 |
06671432
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
関 淳二 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (20163082)
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研究分担者 |
高見沢 計一 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室員 (10163312)
松田 武久 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 部長 (60142189)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 脳軟膜微小血管 / レーザドップラ流速計 / 血流動態 / 拍動流 / 拍動振幅 / 脈波伝播速度 / 血管壁弾性 / 頭蓋内圧 |
研究概要 |
本研究は、我々が開発したレーザドップラ流速計システムを脳微小循環計測に応用し、動物実験によりその有効性を確かめるとともに、生理的条件下及び頭蓋内圧が上昇した場合の脳軟膜微小血管における血流動態を定量的に解析することを目的とする。 ラット頭頂部に脳軟膜微小血管観察用の閉窓を作成し、単一微小血管における血流速度をレーザドップラ法を用いて計測した結果、直径10から230μmの細動静脈において血流速度の精度良い計測が可能であり、本システムの脳微小循環計測への有効性が実証された。時間平均血流速度は血管径と共に増大し、直径10及び50μmの細動脈でそれぞれ平均的に3.5、14mm/sであった。細動脈における血流速度は心拍と同期して拍動し、上流から下流に向かって位相は増大し、10-115cm/sの速度で脈波が細動脈に沿って伝播していることが示された。 次に、閉窓内の圧力を0から50mmHgの範囲で変化させることによって、頭蓋内圧変化に伴う血流速度及び血管径の変化を解析した。頭蓋内圧の生理的条件(5mmHg程度)下での値で規格化すると、頭蓋内圧が0から50mmHgまで上昇した場合、細静脈血管径は1.1から0.78へと単調減少し、平均流速は0.85から1.91へと単調増大した。細動脈での変化は細静脈と比較して小さかった。この結果から、細静脈の変化は血管外圧の変化に伴う受動的なものであるのに対して、細動脈の変化は受動的な変化と筋原性の能動的な変化とが組みあわさったものであることを示唆している。更に、血流速度の拍動振幅は、頭蓋内圧がある閾値を越えるとステップ状に増大し、この閾値は血管径と共に増大し、上流から下流に向かって減少する傾向にあった。この実験結果及びモデル計算の結果を合わせ考えると、頭蓋内圧が増大し血管内圧に近づくと血流拍動が急激に増大するものと推測される。
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