1、手術時年齢に関する因子について 家兎を日齢別に生後4、9、18、27、36日の5群に分け、足部内で第3第4基節骨の血行再建を伴わない遊離交叉移植を行うと、移植された基節骨は、各日齢群間に有意差なく、全て健側の90%以上の良好な成長を示した。 2、移植骨の大きさに関する因子について 生後2週齢の家兎において、大きさの異なった基節骨(長径4.5mm)と中足骨(10.5mm)を前腕皮下に遊離移植したが、成長度に有意差はなかった。 3、移植床の条件に関する因子について 力学的刺激亨受の劣る皮下や血行回復の得がたい間接腔内の移植骨の成長は、足部交叉移植群に比し、有意に劣っていた(p<0.01)。 移植骨の成長終了(成長帯閉鎖)後に移植骨の変形、破壊、吸収を生じ骨形態が維持できなかった。 なお、移植後の血行回復に関して、足部内、前腕皮下、膝関節内にそれぞれ移植した基節骨に微小欠陥造影を行ってSpalteholz透明標本を作成して観察し、関節内が移植骨の血行回復に不利であることを確かめた。また劣っているとはいえ、関節内でも移植骨の成長が認められ、拡散循環によっても成長帯の生存能力が維持されることが示唆された。 家兎の足趾骨遊離移植において、生後4〜36日(Heikelの報告からヒトの生後6ケ月〜4歳に相当)の日齢まで成長帯を有す移植骨は、全て良好な成長を示す。また、移植骨の成長には、力学的刺激を受けやすく、血行が回復しやすい母床の条件を整えることが重要である。
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