研究概要 |
腫瘍細胞における老化過程が分化過程の終えんであるか,細胞内にプログラムされた老化貴伝子の発現によるのかを決定しようとして,分化過程の一般化を試みた結果,正常細胞の分化過程と腫瘍細胞のそれとは根本的に異なることを明らかにした。とすれば正常の分化とは何かという疑問が提出される。そこで得られた結論は,分化とは体細胞社会における共生関係に帰着することが明白となり,その基本的概念を報告した。さらにこの共生関係の支配的調節因子として個体内における免疫系の存在に着目して,免疫系の存在意義を共生維持のために必要な内的認識であるという仮説を提出した。
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